塗料の付着力

塗料は、塗る物にしっかり付着しなければ存在価値がありません。
例えば外壁塗装を行った際、塗料がしっかり付着していなければ簡単にはがれ落ちてしまう可能性があるでしょう。

付着する際の力の主役はファン・デル・ワース力だと考えられていますが、付着力そのものを直接評価する試験方法は確立されていません。

実用的にはごばん目試験で評価します。
カッターナイフで素地に達する切り傷跡を描き、その形状から塗膜の付着性の良否を判定します。
金属やガラスのような硬い素地の場合、粘着テープを格子部分に貼り付け、引きはがしてはがれ具合を観察します。

次に引張り付着試験方法ですが、金属棒または金属板の間に塗膜を挟んで引張り、塗膜素地間で破壊を起こさせ、その引張り付着強度を測定します。破壊場所と強度を測定して付着強度とします。

よく伸びるゴム系塗膜は粘り強い領域に、パテのような固体粒子高充てん塗膜はもろい領域に該当します。
このような物性を知りたい時、塗る物から遊離塗膜をはがし、その塗膜を短冊形にして引張り試験機にかけ、一定速度で引張るとよくわかります。
硬さはヤング率(弾性率)に比例し、たわみ性は破壊伸び(耐衝撃性)にほぼ比例します。
高温焼付けほど弾性率は大きく=硬い、破壊伸びは小さい=もろいことがわかります。
多くの塗装系で破壊伸びは少しでも実用強度に耐えることがわかりました。
プライマーを使用すると、多層系付着塗膜の破壊伸びは遊離塗膜のそれよりも明らかに大きくなるようです。
この点が塗装系の魅力です。

付着状態の塗膜の機械的性質を調べる試験方法が規定されていて、工業界で多用されている一つに鉛筆引っかき試験があります。
硬度記号の異なる鉛筆を使用して傷が付くのか、塗膜が破れるのかを調べます。