塗膜の耐摩耗性

摩擦力が弾性限界を超え破壊に至ると摩耗です。
車両・航空機・カード類に至るまで、表面層の塗膜は常に他の物体と接することになるので、耐摩耗性は塗膜の重要な物性の1つです。

塗装工程において、時間・労力などの面から研磨作業の占める割合はとても大きく、その良否は塗装の仕上がり・作業能率に影響します。
上塗り塗膜は砂じんの衝突や引っかきに対する摩耗抵抗の大きさが求められる一方、中塗り塗料は研磨作業性のよさ、すなわち摩耗抵抗の小ささが必要になり、両性質は相反します。
塗膜の摩耗抵抗の評価試験機に落砂摩耗試験機・サザランド形摩耗試験機がありますが、要因解明が難しい摩耗界面の破壊現象に更なる実用、使用条件に合う試験装置の開発が必要だと思われます。

特に外壁塗装のように、外気にさらされ続ける環境では劣化が進みやすくなります。
具体的には、太陽光線・酸素・水分・温度変化など屋外暴露による劣化は様々な環境因子の複合効果として現れ、塗膜の劣化(光沢低下・変色・サビ・割れ・はがれ・汚染等)で欠陥が生じるとされています。

できれば使用される環境条件で塗膜を評価するのが望ましいのですが長期間を要します。
重要なのは劣化状態の近似性と促進性なので、短期間で再現できる促進試験を採用しています。
試験評価方法は目視による劣化状態の観察が最も重要で、塗膜の光沢度・色の保持性は実用上の目安になる重要項目です。
重防食用塗料ではサビの発生を調べる試験が重要です。
防食性の促進法として前もって金属素地面に傷を入れ、遭遇するであろう腐食因子を複数組み合わせる試験を行います。