外壁塗装の流行

昔とは違い、現代は自宅のデザインや見栄えに拘る時代です。老朽化すれば、その外観を更新したくなるのは当然でしょう。実際外壁塗装の業者に仕事を依頼するケースは増加しており、リクエストも多様化しています。業者も流行の波に遅れまいと、それらのリクエストに応えようと努力し、各社がノウハウを積み上げてきました。ですから依頼者としては、すなわち消費者としては、外壁塗装に関する知識や業界の実態、慣習を調べておくことも大切だと思われます。

読者の中には自宅が新築だという人もいるでしょう。しかしどんなに綺麗な家であっても、経年劣化を避けることはできません。変色はもちろんのこと、カビが繁殖したり、雨漏りが頻発したりして、そのままにはしておけない状態に陥ります。つまり家を所有すれば、必ずリフォームしなければならない時期が訪れるのです。限界が近づけば業者に連絡することになりますが、心配は尽きません。悪徳業者であるかどうか、職人の能力は十分か否かを見極める術を知る人は少ないでしょう。とまれ最初に知りたいのは相場だと思われます。塗装業は極言すれば、塗料をマニュアル通りに壁に塗る仕事です。ですから塗料の価格や人件費等に相場があるのは自然なことです。実はこの相場に関して、塗装業界は情報開示が遅れています。現況を嘆く声も上がり始めていることから、日本建築匠士会も設立されましたが、依然協力的でない業者が多数存在します。当面は消費者自身で情報収集する他ないのです。

悪徳業者がよく見られるのは、訪問販売においてであると言えます。一般には知られていませんが、塗装業は登録制ではありません。ですからリフォームに少しでも関わっている業者であれば、簡単に参入してしまうのが実情です。専門家でもないのに消費者を不安に陥れ、受注しようとする業者が後を絶ちません。訪問販売時に初期費用を支払うようなことはありませんから、注意しましょう。

塗装にかかる費用

外壁をリフォームするにしても、多くの人は予算内で依頼しなければなりません。外壁
全面の塗装を発注すれば、一体どれくらい掛かるものなのでしょうか。よく見られる2階
建ての住宅を例にとりましょう。屋根まで含めれば100万円前後に達することは間違いあ
りません。それでも様々な工夫を凝らして、何とか減額することは可能です。例えば塗料
を変えたり、重ね塗りを減らしたりすれば、想定を下回る見積りになることもあります。
特にフッ素塗料などを誤って使用しないように気を付けましょう。最高級の塗料で仕上げ
てしまうと、100万円に収めることは不可能です。リフォーム費用の内訳は、塗料・各種
資材が20%、足場代が20%、人件費と雑費がそれぞれ30%と考えればよいでしょう。業者
によって細部は異なるものの、大きくかけ離れることはないはずです。裏を返せば、見積
もりの時点でこの内訳から逸脱している場合、その業者を厳しく調査した方が無難です。
塗装業者に見積もりをお願いしたい場合は、現地調査を申し込み、自宅の外壁を詳しく
見てもらいます。業者は劣化の程度に応じて工事内容を定め、費用を算出しますから、そ
の結果を調査診断書、仕様書という形式で確認します。これらの書式は無料ですから、躊
躇せずに要求することが大切です。中には現地調査を省き、ネットやメールで家主から収
集した情報を基に見積もりを作成する業者もありますが、信用できるものではありません
。現物を見ずに算出するのはあまりにも無謀だからです。
見積書は調査診断書、仕様書を軸にして作成します。その際、細かな工程ごとに算出し
てもらうようにお願いしてみましょう。「~一式」で済まされてしまうと、どの工程にど
れくらいの費用が掛かっているのか分からず、後のトラブルに繋がってしまいます。単価
や数量を記載してもらうと証拠として心強いので、是非そのように要求して下さい。また
、見積もりの時点で追加請求の有無も確認しておくべきです。

塗料の分類

アクリル塗料は安価ですが、透明度が高く、強度もあるため人気を集めています。透明
度が高いということは、色彩が鮮やかに出現することを意味しています。重ね塗りに向い
ている塗料の一つでもありますから、頻繁にリフォームするお宅ではよく使用されます。
ウレタン塗料も安価ですが、アクリルよりも防水性を発揮します。塗膜が柔らかいため
、素地としても利用される塗料です。密着する性質を活かして、剥がれの補強に使用しま
す。
シリコン塗料は水に強く、長年の汚れにも耐久性を発揮します。やや高価ですが、その
耐久性に惚れ込んで使用する業者が多く、最も人気を博している塗料の一つです。
フッ素系塗料は高価で、一般の戸建てに使われることはほとんどありません。優れた耐
久性を誇り、熱や寒さにも強く、燃えにくいという逸品です。業界では値下がりを期待す
る声が高まっており、実現すればシリコンに取って代わると目されています。
無機塗料は有機塗料とは異なり、乾燥や天候の変化にも影響を受けにくい塗料です。「
汚れが雨水で落ちる」という謳い文句を武器にして、近年使用頻度が上昇しています。耐
久年数は最高レベルの20年と言われており、将来主役に躍り出る可能性があります。
その他の塗料としては、遮熱塗料や光触媒塗料が挙げられます。「遮熱」とは、熱を弾
いてしまう性質のことで、遮熱塗料を塗れば夏でも太陽光線を気にすることなく、涼しい
環境で過ごすことが出来ます。光触媒については、太陽光の力で汚れを浮かび上がらせる
という模様が、広告で話題になりました。遮熱塗料と共に、次の時代の塗料になるでしょ
う。

業者の選択に当たって

外壁塗装を依頼するに当たって、業者の選択に時間を掛けない人がいます。どこに任せても大差ないだろうと高を括っているのでしょうが、実際は業者間で大きく異なります。塗装の工法の基本はどの業者も守っていますが、細かい工法やノウハウにはばらつきがあります。職人個々人の技量にも差があるため、どの業者を選び、どの職人にお願いするかによって、仕上がりの質は変わってしまうのです。

塗装業は資格や許可を必要としないため、業界に悪徳業者が蔓延っているのも事実です。しかし優良な業者と認定されて国交大臣から工事業許可が下り、大規模事業を受注している業者も存在しますから、依頼者が判断する上で一つの目安になるでしょう。もちろん優良業者だからといって、所属する職人全員が有能であるとは限りません。最終的には個々の技能を信頼する他なく、そのためにも依頼者には独自の調査が求められます。例えば「塗装技能士」と呼ばれる国家資格を有しているかどうかは参考になるでしょう。

業者を選定する時、見積もりを比較することになりますが、実は決まったフォーマットが存在しないため、依頼者としては比較し辛いのが実情です。足場の組み立て費用、養生費用等は大差ありませんが、塗料代や細かい人件費等は、業者の説明が不足すれば不信に繋がってしまいます。工程ごとに細かく説明してくれる業者を選ぶのが無難でしょう。

依頼者が契約に臨む時、対面する人はリフォーム業者であり、塗装職人ではありません。この時、実際に施工する業者と相談することを申し入れましょう。リフォーム業者は顧客獲得のために、必要以上に見積り額を減額しようと試みます。しかしその費用が下請けの施工業者にとって限度を超えたものであれば、黙って安価な材料にすり替えたり、人件費を不当に浮かせたりしかねません。仕上がりの不出来は最終的に依頼者が負うのだと、心得ておきましょう。

外壁塗装に纏わるトラブル

優良な業者をそつなく選ぶことが出来ても、工事開始後にトラブルが発生することは十分あり得ます。たとえ悪徳業者でなくても、依頼者のイメージ通りに施工してくれるとは限りませんし、よく分からない建材を使用して追加費用を請求するようなケースは珍しくありません。悪意の有無にかかわらず、依頼者が不透明な計上だと感じれば、そこからトラブルに発展してしまうのです。基本的に見積り額と最終請求額とが異なる場合、業者は説明責任を抱えます。追加費用自体はよくあることなので、業者が丁寧に説明すれば問題とならないこともあります。例えば業者が床下を覗いて腐食を発見した場合、業者が追加工事を施工するのは不自然なことではありません。依頼者もそれを放置したら危険であると説明を受ければ、納得するはずです。但し、追加工事の細かな内訳が付記されていない場合、依頼者が不信感を抱くのは当然のことです。

天候が影響して工期が伸びた時も、トラブルが発生しがちです。また、口頭での約束が後々響いてしまうこともあります。依頼者の防御策としては、先ず以て業者の現物調査を十全に行わせることです。自宅に業者を招き入れるのを不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが、見積もりを正確なものにするためには欠かせないプロセスです。またこうした交流を経ることで、業者との信頼関係が醸成されることもあります。信頼関係が育まれると、仕上がりのイメージの共有にも良い効果を齎します。現物調査時にはできるだけ疑問を解消しておきましょう。追加工事の可能性がないかもしつこく尋ねておきます。可能性がある時は、事前に想定額を算出してもらいます。

 

 

リフォーム関連の書類

リフォームを依頼する時に禁物なのは、口約束を信頼し過ぎることです。トラブルに発展しかねませんから、約束は必ず書面で取り交わします。業界人でない限り、リフォームの契約書は難解かもしれません。しかし事前に基本を学んでおけば、随分印象も変わるはずです。まず覚えていただきたいのは、書類は3種類に大別できるということです。一つは契約書、二つ目は契約約款、三つ目は見積書です。契約書は説明するまでもありませんが、契約内容における最重要事項が記載されています。契約約款は契約書の詳細版に当たります。こちらで細かな取り決めを確認することが出来ます。例えば施工ミス等が発生した場合の補償のあり方等が示されています。

契約書は熟読して認識の齟齬が無いかを確かめ、見積書は仔細が書き込まれているかを確認します。建材費用や細かな人件費が不透明であれば、お願いして書き入れてもらいます。特に「一式」などと省略されている場合は注意を要します。指摘した上で、単位に応じた価格を算出してもらいましょう。

主要3書類以外にも、設計図面、仕上表、完了確認書、保証書等は目にすることになります。設計図面は平面図と立面図が、仕上表は建材の種類・商品名が記されています。図面は素人には分かりにくいかもしれませんが、奥行きや幅が依頼内容と相違ないかをきちんと確認します。業者によっては3Dで見せてくれるところもあるので、イメージを共有するためにも積極的にお願いしましょう。言うまでもありませんが、上記の書類に加え、打ち合わせ時のメモはきちんと保管しておきます。

トラブルというものはここまで対策しても発生する時は発生しますから、起こった時は冷静に対処するように心掛けましょう。業者と根気よく話し合うことはもとより、消費生活センターやリフォーム紛争処理支援センターとの連絡も選択肢です。

 

 

リフォームの相場

お店のリフォームは特別オーダーとして発注、受注するのが常です。従って、相場と言えるものは無いとも考えられますが、多くの店のリフォーム(厨房を除く)が数十万円で行われているのが実情です。既存設備に手を加えなければ、どの店も手軽にリフォームできるものなのです。特に坪数が小さければ踏み切りやすいでしょう。工事費用の大半を坪数が決定づけるからです。ちなみに坪単価の平均は6万円前後のようですが、業態によって異なります。

例えばオフィス、雑貨店、アパレル店、薬局等の、比較的狭いお店、単純な小売店のリフォームは20万円前後で可能です。美容院やネイルサロンのような水回りの設備が必要な店舗は20坪前後で30万円以上かかります。そして更に加算されるのは飲食店です。厨房設備があれば工事費用は相当分上がります。レストラン、カフェ、居酒屋等の飲食店は単純に坪数で算出できませんが、20坪前後で40万円くらいを見込まなければなりません。また上述した費用は単純な既存店舗に限られます。設備が複雑であったり、新規購入したりする場合は、さらに10倍程度の費用が発生することもあります。

以上のように、飲食店のリフォームを考えるのであれば、厨房の工事にどの程度充てられるかが鍵だと言えます。工事費用の4割近くを厨房が占めるわけですから、新規開業する場合は厨房が整った居抜き物件を探すと、リフォーム代を大きく節約できるかもしれません。但し居抜き物件の項でも述べた通り、何故居抜き物件として売られているのかは買い手には見抜きにくいものです。ひょっとすると立地条件が想像以上に悪いのかもしれません。安易に選ばず、売りに出された経緯を事前に調査するなどして慎重に判断する必要があります。

 

塗料の種類

アクリル塗料は合成樹脂がアクリルで出来ている塗料です。安価ですが透明で強度が高いという特徴を有し、塗ると色彩鮮やかな壁を作ることができます。重ね塗りもできることから、塗装工事を繰り返す場合には重宝されます。ただ最近は耐久性の高い塗料に人気が集まり、アクリル塗料の出番は減少しています。

ウレタン塗料は合成樹脂がウレタンで出来ている塗料です。アクリルと同様に安価ですが、相応の防水性は認められます。塗膜が柔らかく、重ね塗りの素地としても有用な上、高価な塗料よりも密着性に優れており、剥がれの補強には最適です。

シリコン塗料は合成樹脂がシリコンで出来ている塗料です。耐水性、対候性、耐久性の全てに秀でており、汚れにも強いことから高い人気を誇ります。値段はやや張りますが、価格以上の働きを見せるシリコンは間違いなく外壁塗装の主役です。

フッ素系塗料は合成樹脂がフッ素系で出来ている塗料です。耐久性に優れており、耐熱性、耐寒性、不燃性なども期待できる高級品です。値段が高いため一般家庭では中々使用されませんが、今後値下がりさえすればシリコンに置き換わる可能性のある塗料として、注目されています。

無機塗料は、アクリルやウレタンといった有機塗料の弱点である乾燥、悪天候にも強い、無機化合物が混合された塗料です。劣化に耐え、天候をものともせず、汚れは雨水で落ち、その上燃えにくい塗料とされ、正に万能型の塗料と言えます。最高級品で20年を超える耐久性を有し、次世代の塗料として期待されています。

無機塗料以外に次世代の塗料として紹介したいのは、遮熱塗料、光触媒塗料です。遮熱塗料は太陽熱を弾き、真夏でも室温を急上昇させません。光触媒塗料はCMを介して有名になりましたが、太陽光で汚れを浮かせ、雨水で落とすはたらきをもつ優れものです。

トラブルが生じたら

慎重に業者を選んだとしても、トラブルが起こらないとは限りません。いわゆる悪徳業者を選ばないことが何よりも大切ですが、優良な業者であっても依頼主のイメージを正確に把握していない場合や、素人には見覚えも聞き覚えもない建材を使用した場合、職人技術の価格設定が不透明な場合等には、仕上がりや総費用に納得のいかない依頼主との間でトラブルは起こり得ます。特によく見られるのは、追加費用にまつわるトラブルの発生です。見積金額と請求額とが齟齬をきたしている場合、詐欺にあったのかと、依頼主の不安は増幅します。しかしながら追加費用そのものは珍しくありません。例えば床を開けて初めて躯体が腐食していることが判明した場合には、業者も予見できなかった補強工事が必要です。また、天候の影響等で工事が長引いた場合、請求額そのものが変わらずとも、改築中の余計な賃料が発生することになります。他にも「工事中の見学時にお願いしたのに反故にされた」というような、契約書面外の口約束にまつわるトラブルも後を絶ちません。

こうしたトラブルを避けるためには、第一に事前調査を十二分に行うことが大切です。自分が依頼した業者とはいえ、赤の他人に自宅やオフィスを探索されたくないという人も多いのですが、調査に積極的に協力することは欠かせません。また仕上がりのイメージを具現化してもらうためにもコミュニケーションを怠るべきではありません。打ち合わせには多くの時間を割き、疑問はできるだけ残さないように心掛けます。

第二に予め追加工事を想定した見積もりを依頼することが挙げられます。躯体構造までは事前調査で把握できないため、万一工事開始後に問題が発見されればどれくらいの費用が新たに発生するのかを、事前に説明してもらうことが肝要です。

 

 

通風と換気

日本の住宅は,日照とともに,通風の良さを理想としてきた。通風が良いということは同時に換気が良いということであるが,この通風と換気それぞれにも ,調湿と同様,人間のためと建物のための双方の意味が含まれている。夏に通風が涼しさを感じさせるのは,風が人間の身体を直接なめ,汗の蒸発を積極的にし,気化熱を奪うことによる。 同時に建物の隅々まで風を当て,その表面からの水分の蒸発を促すことも通風の目的となっている。

他方,換気は人聞にとって四季にかかわらず必要で,新鮮な空気の供給と ,汚れた空気の排出をするものだが,建物にとっての換気は,水蒸気を水蒸気圧(絶対湿度)の高い室内から外気へ積極的に逃がすことである。とりわけ冬は,窓を閉ざし,暖房をするので,換気は忘れられがちであるし,また,やろうとしても同時に熱を逃がしてしまうことにもなるため,消極的にしか行われていない。かつて,木造住宅では,その生来のさまざまなすき聞から,少しずつ自然に換気が行われていた。しかし,コンクリート造や,枠組構法などの現代の木造,それにアルミサッシの利用などてる気密性の高い今日の住宅においては,厨房や浴室 ・トイレなどで部分的に,機械的換気が行われているほかは,全く考慮されていないといってよい。せいぜい ,プラスチック製の固定換気口を設けている程度で,それらは,換気装置として十分であればあるだけ,空気とともに熱も,そして音も漏らしてしまうようだ。もしここで,壁装に高性能な防湿層(ペーパーバリア)を設けようとするならば,室内の水蒸気を逃がす方法は,よりいっそう換気に頼ることになる。こうしたとき ,熱ロスの小さい熱交換式換気扇を用いるのも一つの方法であるが,できれば,木製サッシなど建築的な手段で,熱も音も失われない換気方式も考えてみたいところである。

一般的に吸放湿性のある素材は,透湿性もあり ,素材が周囲の湿度と平衡になるまで,吸放湿したり,透湿したりして,それ自身の調湿を図っている。夏は建物内外の温度差も小さし素材の平衡含水率も高いので吸湿平衝となり,逆に冬は素材が乾燥状態で放湿平衡となる。一般に固体の中の水蒸気の移動は遅いが,繊維状の素材の中では比較的スムースであり,木も,吸放湿や透湿の速度は良い方の部類に属する。したがって木製サッシのように,その内外が直接,建物内外と接していることは ,冬の調湿に,少なからず、役立っているのではないかと考えられる。他方,仕上げ材としての木や木質系の下地材は,その吸放湿能によって,夏の表面結露防止などの調湿的役割を,幾分かは果たしているといえよう。しかし,いずれにせよ ,こうした木の調湿への利用は,まだ今後の研究が必要であり,換気という ,水蒸気の放出という直接的方法を捨て去ってしまうことはできない。